簿記

しーくりくりしーの意味とは?現役経理マンがわかりやすく徹底解説!

こんにちは!

タイトルの「しーくりくりしー」という言葉、簿記3級を一通り学んだことがある人なら結構聞いたことあるのではないでしょうか?

これは決算整理仕訳で出てくる商品に関する処理を覚えるための語呂あわせで、仕訳は下のようになります。

(    入   ) ×× (越商品)××
越商品)××  (    入   )××

各勘定科目の頭文字を順番どおりに言っているだけですね。

ただおそらく多くの簿記3級の受験生(合格されている方でも)が意味もわからず仕訳をしているのではないでしょうか?

確かに丸暗記で乗り切ってしまうこともできるのですが、

後々2級や1級にステップアップを考えている人は理解しておかなければならないところです。

とはいいつつも、実は私もあまり意味がわからないまま丸暗記して3級に合格してしまったクチなのですが(笑)。

モヤモヤしたまま次に進むのもイヤだからここでスッキリしときたい!

という人もいると思うので、今回はこの仕訳の意味について迫ってみたいと思います。

「しーくりくりしー」はどのタイミングで行う仕訳なのか?

先ほども言いましたが、「しーくりくりしー」は決算整理仕訳として行います。

決算整理仕訳とは特定の年度(多くの日本の会社では4月1日から翌年の3月31日の一年間が一つのサイクルになっています)

が終わって、これから決算書(貸借対照表や損益計算書など)を作っていこうかというタイミングで行うものです。

例えば、決算期が2019年4月1日~2020年3月31日だとすると、決算整理仕訳は通常、2020年4月に行うことになります。

「しーくりくりしー」の目的と売上原価の意味

「しーくりくりしー」の目的ってなんなの?

目的はずばり以下の2つです。

①売上原価を計算すること
②繰越商品勘定の金額を期末時点の金額に直すこと

まあ、これだけ言われても全然わからないと思いますので、これからじっくり説明していきます。

うーん、そもそも①の売上原価の意味が分からない・・・

はい!まずは売上原価ですね!

売上げた商品のもともとの仕入値が売上原価だというのはわかりますか?

例えば、80円のボールを1個仕入れてそれを100円で売れば売上100円売上原価80円となります。

では、80円のボールを2個仕入れてそのうち1個しか売れなかった場合、売上と売上原価はそれぞれいくらになるでしょう?

やっぱり売上100円売上原価80円ですよね。
ここまではOKですか?

なぜ売上原価が80円×2個の160円にならないのかといえば2個のうち1個は売れてないからです。
売上原価はあくまでも売上げたものの原価がいくらかを表しているんです。

なるほど!売り上げた商品の元の仕入値が売上原価と呼ばれるんだね!

さあ、それを踏まえたうえで下のボックス図を見てみましょう。

下の図は商品の増減を表しています。一般的な日本の会社を想定して4月1日から翌年の3月31日の間の取引だとします。

上のボックス図を踏まえたうえで問題です。
Q.当社はボールを仕入れて売っています。4/1時点で2個のボールを手元に持ってました。4/1から3/31の間に5個仕入れて、4個売りました。そして今3個手元に残ってます。売上と売上原価はそれぞれいくらでしょう?一個あたりの金額はそれぞれ仕入れ値80円、売価100円とします。
A.4個売っているので売上は一個あたりの売価100円×4個で400円となりますね。一方、売上原価は一個あたりの仕入値80円×4個で320円となります。

売上原価は他の求め方もできます。商品ボックスを全て金額に直すと下のようになります。

年度初めのことを期首(上の例で言うと4/1)、年度中のことを期中(上の例で言うと4/1~3/31)年度末のことを期末(上の例で言うと3/31)というのですが、

期首時点の金額は80円×2個で160円、期中の仕入額は80円×5個で400円、期末時点は80円×3個で240円です。

とすると、ボックスを見てもらえばわかりますが、

期首在庫金額+期中仕入金額-期末在庫金額という計算でも売上原価って求まりますよね?

売上原価=期首在庫金額+期中仕入金額-期末在庫金額ってことだね!

実際金額を当てはめて計算すると160円+400円-240円=320円

さっきと答えが同じことを確認してください。売上原価=期首在庫金額+期中仕入金額-期末在庫金額です。

これ、重要です。絶対に覚えておいてください。

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「しーくりくりしー」の仕訳で売上原価の計算をする、の意味

さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここから「しーくりくりし」の目的の一つである「売上原価を計算」の解説をしていきます。

ここからが本題だね!

ここからは、仕入勘定の動きを把握するためのボックス図と仕訳をみていきます。

金額は引き続き上の例のものを使います。まず、決算整理仕訳を行う前の残高試算表の繰越商品勘定の金額は160円仕入勘定の金額は400円ですね。

※繰越商品勘定は決算整理仕訳でしか出てこない勘定で、期中の取引では出てこない勘定です。そのため、決算整理前の残高試算表上は期首在庫金額が表示されたままの状態となっています。

決算整理前の仕入勘定の状態は以下のようになっています。

仕入は買掛金で行ったと想定しています。現時点で計上されているのは期中に仕入れた分だけですよね。

さて、いよいよここで決算整理仕訳の「しーくりくりし」の処理を行います。仕訳はこうなりますよね。

(   仕入   ) 160 (繰越商品)160
(繰越商品)240 (    仕入   )240

1行目の金額は期首時点の在庫金額、2行目の金額は期末時点の在庫金額です。

現時点では繰越商品勘定はいったん無視して仕入勘定だけに注目してください。

この仕訳によって仕入勘定は以下のように変化します。

?部分に着目してください。

この部分が決算整理仕訳を入れた後の仕入勘定の金額になります。

?部分の求め方は期中仕入金額+期首時点の在庫金額-期末時点の在庫金額です。

答えは320円。金額を見て下さい。これさっき見ましたよね?

あれ?さっきの売上原価と一緒の額だ!

そう!まさにさっき求めた売上原価と全く同じ額なんです!つまり、決算整理仕訳を行った後の仕入勘定の金額=売上原価となります。

これで最初に私が言っていた「しーくりくりしー」は売上原価を求めるためにする、の意味がわかっていただけたと思います。

そういうことだったのか!

また、日商簿記3級では精算表を作成する問題が問われますが、

その際「売上原価は「仕入」の行で計算すること。」という文言があったりします。

その意味もこれまでの説明でご納得いただけると思います。

「しーくりくりしー」の仕訳で繰越商品の金額を期末時点の額に直す、の意味

次に「しーくりくりしー」の目的の二つ目、「繰越商品の金額を期末時点の額に直す」の意味について解説していきます。

まず、繰越商品の言葉の意味を考えてみましょう。

期末時点においては来年度に持ち越す商品ということです。

つまり、期末時点において売れ残っている商品来年度以降に売る予定の商品、ということです。

ということは、決算整理前の金額は期首にもともと手元にあった商品の金額、

言い換えると昨年度末に売れ残った商品の金額が表示されたままになっているわけですが、

これはおかしいですよね?

繰越商品の言葉の意味を考えれば、最終的には期末時点に売れ残っている商品の金額を表示しなければなりません。

ここで今一度「しーくりくりしー」の仕訳を見てみましょう。

(   仕入   ) 160 (繰越商品)160

(繰越商品)240 (    仕入   )240

次は繰越商品勘定のみに着目してください。期首金額を減らして期末商品を増やす仕訳になってますよね?

これはつまり、決算整理前の繰越商品の金額を取り消して、新たに期末の繰越商品の金額を表示させる、という処理です。

この結果、決算整理後の残高試算表はどのようになっているでしょうか?次でみてみましょう。

決算整理後の残高試算表

上の処理の結果、決算整理後残高試算表は次のようになります。

繰越商品勘定は期末時点の在庫金額になっており、仕入勘定は売上原価の金額になっています。

さあここまで長々とやってきましたが、理解していただけましたでしょうか?ここで今一度まとめておきますね。

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「しーくりくりしー」の意味まとめ

  • 「しーくりくりしー」は決算整理仕訳で行う!
  • 売上原価=期首在庫金額+期中仕入金額-期末在庫金額
  • 「しーくりくりしー」を行うことで仕入勘定で売上原価の計算ができる!
  • 「しーくりくりしー」を行うことで決算整理前残高試算表の繰越商品勘定の金額を期末時点のものにできる!

以上!今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!